基幹システム開発 -小売・生産・卸-
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小売業における基幹システムのリプレース
ー当社のアプローチー
このページでは、小売業界における基幹システムの役割と課題認識 、当社の基幹システムリプレースに向けたアプローチについてご説明いたします。
小売業界における基幹システムの役割と
当社の基本的な考え方とは?
小売業界においては、売上管理、発注/仕入管理、在庫管理など、サプライチェーンマネジメント(SCM)の計画/実績を管理する業務やデータのボリュームが最も比重が大きく、その役割を果たす仕組みを基幹システムと捉えられることが一般的です。
1.小売業界における基幹システムの役割
パッケージソフトでの対応する場合
ERPパッケージを採用する際の利点としては、人事や会計などのデータを一元管理できる点があります。これにより、データの整合性が保たれ、効率的な運用が可能になります。一方、サプライチェーンの管理において独自性の高いビジネスを採用していた場合、すべてを1つのパッケージソフトで対応しようとすると無理が出てしまい、システムの初期構築および運用のコストが膨らんでしまったり、またはどの業務領域をとっても中途半端な対応で終わってしまう可能性があります。
自社向けスクラッチ開発とパッケージソフトの組み合わせ
当社がお勧めするのは、独自性の高い領域を自社向けにスクラッチ開発で構築し、一般的な領域をパッケージソフトで対応し、その両者を連携させるという方式です。両者の特性を活かすとともに、相乗効果を作り上げていこうとする狙いです。
2.小売業界において基幹システムをスクラッチ開発する必要性
小売業において、基幹システムを自社でスクラッチ開発したいという際に、大きくは以下のような狙いがあります。
物流の最適化
複数の物流拠点や、多数の店舗拠点を活かし、物流の無理無駄をいかに最小化していくか?という点について、突き詰めていくとパッケージソフトでは限界が生じやすい点です。さらには、ECで店舗/物流の在庫をハイブリッドで引き当てようと考えると、リアルタイムですべての在庫処理を実行し、ECのフロントと連携を図っていく必要があり、独自にシステム構築する必要性が生じます。
商品情報管理の業務フローの最適化
1つの商品には、管理すべき情報が多岐に渡ります。さらに、ナショナルブランドに加えてプライベートブランドの販売をするようになったり、実店舗のみならずECでの販売を行うようになると、多岐に渡る情報を正確に登録・管理していかなければいけません。情報の正確性を担保するために役割分担/業務フローが設計されていきますが、効率的に実行していくためには、業務にフィットしたシステムを独自に構築する必要が生じます。
計画と実績のリアルタイム管理
小売業では、状況は常に変化していくもの。リアルタイムに計画/実績を管理することではじめて、変化の対応力を身に着け、適切な軌道修正を図ることが可能になってきます。多くのシステムでも汎用的なレポートの出力は可能ですが、計画/実績を自由に分析し、自在にコントロールする基盤を構築するのには、スクラッチ開発のほうが向いています。
老朽化対応
サーバー/ネットワークを自社で整備している場合、5~10年のサイクルで機器老朽化に伴うシステム更新が必要になります。このタイミングで、ハードウェアの刷新のみならずソフトウェアも一新しようという動きが少なくありません。
当社の考え方としては、システムのライフサイクルとビジネス/業務が求めるスピード感には大きな隔たりがあり、ハードウェアの刷新のためにソフトウェアを一新すべきではなく、逆にソフトウェアについては、業務の変化に合わせて常に見直しをかけることのできる基盤にすべきであると考えています。
当社では、ハードウェアの老朽化という期限がある場合は、まずはクラウドにシステムを移管し、次のステップでしっかりとした計画をもってシステム全体をリプレースすることをご提案いたします。
AIなどの新技術活用
chatGPTなどAIの進化は著しく、もはや実用性の高い領域になっています。また、これらの技術はオープン化されており、自社のシステムに組み込むことが可能です。組み込むことで、業務の自動化であったり、人間では気が付ききれない詳細な分析を実行することが可能になります。こうした先端の取り組みを行いたい場合、パッケージで実用的な機能が揃うまでには相応の期間を要し、スクラッチで対応することで他社に先駆けたチャレンジを行うことが可能になります。
3.当社の基幹システム構築アプローチ
基幹システム構築には、1~2年といった長期間を要することがほとんどであり、失敗に終わってしまうプロジェクトも一般的に少なくありません。
確実に成功させるため、私たちが考えるアプローチは以下のとおりです。
すべてをビッグバンでリリースしない
基幹システムは、多くの場合何百以上もの機能の複合によって出来上がり、実行される業務も多岐に渡ります。
その際に、「システムも新しく、業務の実行方法も大きく変わる」というケースでは、トラブルが発生しやすくなります。
当社の推奨としては、たとえ発展的なビジョンがあったとしても、第一段階では既存で実行されている領域に絞って第一段階でリリースを行い、発展課題はその次のステップで実行するほうがスムーズであると考えています。システムの開発規模に応じて、適切なロードマップづくりをお客様とともに行います。
最適なシステムアーキテクチャの構築
プロダクトのスコープ範囲を元に、最適なシステムアーキテクチャを立案します。
最適なシステムアーキテクチャを構築することにより、インフラコストを引き下げたり、開発/運用の生産性を高める効果が見込めますので、十分な検討を行います。
お客様と一体になったチームづくり
お客様のスタイルに合わせながら、お客様と一体になったチーム作りを重視します。お客様の業務を正しく理解することがシステム開発プロジェクトの起点であり、お客様の悩み/課題を解決したり、目標を達成することこそが私たちの成果物です。理解を深められるよう、効率的なリモート会議だけでなく、対面でのコミュニケーションや現場への訪問を大切にしていきます。そして、理解の齟齬が発生しないよう、資料ベースでの確認を続けたのち、開発実作業にとりかかります。
スクラム開発による段階的な開発/テスト
当社では、スクラム開発の手法により開発プロジェクトを実行します。サイクルとしては、2~4週間といった短期間のサイクルを繰り返して、成果物を出しながら開発プロジェクトを積み上げていきます。短期に区切ったサイクルを実行することで、その時々のタスク/役割・責任分担が明確になるとともに、適切な品質・納期管理を行いながらプロジェクトを進行させることが可能になります。
絶え間ないデータ検証
ITシステムにとって、データこそが命です。当社は、動くプログラムを納品することではなく、正しい業務運営を担保することに重きをおいており、その観点からデータの検証にプロジェクトの比重を置いています。本番さながらのデータ取得・集計・出力・既存システムとの照合を繰り返していき、データの取得漏れや計算ロジックのミスを完全に無くしていき、並行稼働に近い運用を実行することで安心してリリースできる前提条件を作り出します。
4.当社のシステム保守/運用アプローチ
基幹システムは、リリースされてからが本番です。システムの安定稼働はもちろん、ビジネス/業務の変化に対応を続けることを目標として、保守/運用をご提案いたします。
保守/運用業務の自動化
エラーの検知~保守運用担当者への連絡や、データ処理状況のモニタリング、ハードウェアのリソース管理など、多岐にわたる保守/運用業務については、可能な限りプログラムによって自動化し、安定稼働に向けた業務/コスト負担を対象化してまいります。
絶え間ない改善
保守/運用を最小化する一方、体制で余力が生じた部分については、機能改善やさらなる保守/運用作業の自動化に向けた時間へ割り振っていきます。「保守/運用とは何となく定額でかかり続ける保険に近い費用」ではなく、実行内容の見える化を図りながら、お客様の事業への貢献ができるよう努めてまいります。